呼吸器内科を受診
病院へ行こう、と決めたものの、何科を受診すればいいのか。
症状が不眠であれば心療内科、精神科に迷いなく行けるのですが、過眠となるとそう簡単にはいきません。調べてまず一番に考えたのが睡眠時無呼吸症候群(SAS)でした。
同期にはナルコレプシーという診断が下りましたが、わたし自身のこれはナルコレプシーではないだろうと考えていました。理由として、同期は大好きなアーティストのライブ中(爆音)でも寝落ちてしまうことがあると言っていたこと。わたしは自分の楽しんでいる活動中に眠ってしまったことはありません。
参考までに日本ナルコレプシー協会のHPに記載の症状を引用します。
ナルコレプシーは「居眠り病」といわれるようにその最も目立つ症状は、時と場所に関係なく居眠りを一日に何回も繰り返えすことです。
次に、大喜びしたり「やった!」「しめた!」と得意になったときなど喜怒哀楽の感情の激しいとき急に顔や首、手足の力がかくんと抜けるという症状があり、この間意識は正常で周囲の話が理解できます。
この2つの症状が確実にあって何ヶ月も毎日続いていればナルコレプシーの疑いが十分にあります。
他の症状としては、寝入り際に鮮明な怖い夢を見たり体を動かそうとしても動かせないいわゆる金縛りにあう、日中に居眠りをする反面、夜間に熟睡できない等の障害があります。
なお、これらの症状はすべてが同一時期に発症するのではなく時間をおいて発症するのが普通です。
※引用元:http://narukokai.or.jp/about_nalco.html
こちらに記載の、脱力症状も経験がないのでまず違うだろうと思っていました。
ただし念のためということで、自宅近くのSASをメインに、ナルコレプシーの治療も行っているという睡眠外来を見つけて電話で初診の予約。確か診察まで二週間くらいかかりました。
SASがメインの病院だけあって、待合室でみかける方は体格の良い40代以上の男性がほとんどでした。
どういうときに眠気を感じるか(TVを観ているとき、運転中、人と会話中)、実際に眠ってしまうかというような問診票を書いて、それを元に診察。入眠、中途覚醒等の症状はないけれど、熟眠感がないことも伝えました。診察結果としては、年齢、体格からしてSASとは考えづらい。ただし、咽が細く、可能性としてはゼロではないと。全く太っていなくても、咽が細めの女性は呼吸をしづらく、SASの症状を示すことがあるそうです。どちらにせよ明らかに過眠の傾向があるということで、検査を行うことになりました。順番待ちで一ヶ月ほど間が空きました。
検査は土曜日の夜から日曜の朝にかけて泊まりがけで行われます。費用は一万強。この類の検査としてはうちは安いほうだとお医者さんが言っていたので、よその病院だともう少しかかるのかもしれません。
お夕飯持ち込みで20時就寝5時起床。寝相、脳波、いびきをモニタリングされます。
計測のために体中にケーブルをつけられます。頭にケーブルをつけるために、髪の毛をぱりぱりにのりで固められたのが印象的でした……。消灯されてすぐ眠って、朝に看護師さんが起こしてくださるまでぐっすり。病院のシャワー室でのりを洗い落として終わりです。病院によっては、このまま引き続き昼間の検査を行うところもあるようです。
検査結果を聞きに一週間後、もう一度通院しました。
結果は、真っ白。
「……君、なんで検査受けたんだっけ?」
とのお言葉まで頂戴してしまいました。わたしの脳波形は、診ていただいたお医者さんが診察を始めてこの方、初めて見るような綺麗な形で、全く異常が認められなかったそうです。
検査入院の間、自分でも久しぶりによく寝たという実感があったため、その影響はないのかとちょっと食い下がってみましたが、特にSASの症状はぐっすり寝ているときにこそ顕著に表れるそうです。筋肉が弛緩するため、という説明を受けた気がします。
過眠の症状がある人は具体的な症例名が降りないことが多い、とも教えていただきました。
手詰まり状態……となり、このときはこれでおしまいでした。
改めて、気力の問題なのかもしれない。
そう考えて、いったん病院を頼ることはやめました。その頃、仕事が繁忙期を迎え、本当にどうにもならなくなったこともあります。わたしの場合、全力でやっても明らかにこなしきれない量の業務が目の前にあるとあまり眠気は来ません(これも気力の問題かと考えていた理由の一つです)。
眠気が抜き差しならなくなって、精神科の戸をたたくのはこの一年後です。